第2回Matlantis User Conferenceの講演動画・資料を公開
PFCCは2023年4月21日に第2回Matlantis User Conferenceをオンラインで開催し、2名のユーザー様より、具体的な活用事例について発表いただきました。当日は合計144名の方にご参加いただきました。
以下に、Matlantis User Conferenceの各講演の録画動画・発表資料を公開します。
有機材料を専門とする実験研究者によるMatlantisの活用事例
講演者
東京工業大学 物質理工学院 材料コース 早川研究室 助教 畠山 歓 先生
動画
資料
概要
機能性高分子の合成と計測を専門とする実験研究者が、どのような期待と課題意識を持ちながらAI分子シミュレータMatlantisを利用しているかについて発表する。DFT、MD計算、更にはオープンソースのAIシミュレータ等と比較も交えながら、Matlantisの特徴を実験屋の視点で考察する。実例として、分子集合体の構造計算に加え、本ソフトウェアによって推定可能な諸物性(密度・拡散係数・粘度・熱伝導度等)を、実材料で計算した際の精度や処理速度について示す。また、Matlantisでも計算が困難な構造や物性を推定するための機械学習との連携状況についても報告する。
PFPの部分電荷を利用した電場下ダイナミクスシミュレーション
講演者
信州大学 先鋭材料研究所 助教 久間 馨 先生
動画
資料
概要
電場下のイオン伝導や電極界面における電気二重層の形成など、外部電場に対する材料の挙動は物理化学的に興味深く、また二次電池やキャパシタなどへの応用上も重要である。これらは分子動力学シミュレーションによって解析することが可能だが、分子間相互作用に密度汎関数理論(DFT)などの第一原理計算を用いるのでは計算コストが高すぎて十分な時間スケールの計算が困難である。また従来の経験的ポテンシャルを用いるのではパラメータの汎用性が低く適用できる材料系が限られることや、化学反応を含むモデル化が難しいことが課題であった。そこで、汎用ニューラルネットワークポテンシャルであるPFPを適用し、計算速度と汎用性・精度のバランスを高めつつ、外部電場との相互作用をその部分電荷推定に基づいて与えることで問題の解決を企図した。本講演ではそのような、Matlantisの電場下ダイナミクスへの拡張について紹介する。