Matlantis™のコア技術と仕組み
高い汎用性と精度を備えた、
独自のNNP(Neural Network Potential)
Matlantisは従来の原子シミュレータに深層学習モデルを組み込んだNeural Network Potential(NNP)に基づいて、原子スケールで材料の挙動を再現して大規模な材料探索を行うことのできる汎用原子レベルシミュレータです。
物理に基づく従来の汎用的な原子シミュレーションでは、材料の電子状態を解くという非常にコストのかかる計算を通して挙動を計算する必要があります。一方でMatlantisは、強力な表現力および汎化性能をもたらす深層学習技術を使って原子の挙動を再現するために必要なエネルギーや力を直接学習することで、電子状態の計算を回避しています。
これによって汎用性を維持したまま計算コストを大幅に削減し、現実に近い複雑な系を、大量かつ高速に計算することができます。
原子スケールの挙動を、電子状態を求めることなく直接計算する手法はすでに存在します。しかし、その支配方程式の真の形状は複雑で、高いレベルでの汎用性と精度の両立は長年の課題となっていました。
Matlantisは、Preferred Networks(PFN)が独自に開発したNeural Network(NN)アーキテクチャに、PFNが保有する大規模な計算機クラスターを活用して物理シミュレーションした膨大な量の原子構造データを学習させることで、72元素の任意の組み合わせの原子構造を高い精度で再現することが可能です。
PFN保有の計算機クラスター

MatlantisはDFTによる
計算結果を精度高く再現

Matlantisの3つの特長
革新的なマテリアルの創出に貢献し、持続可能な世界を実現するために「Matlantis」は生まれました。
汎用性/ Versatile

未知の材料を含む、分子や結晶などの任意の原子の組み合わせにおいてシミュレーションが可能です。現在は72の元素をサポートしており、今後さらに拡大予定です。
高速 / High Speed

DFT(Density Functional Theory:密度汎関数法)では、高性能なコンピュータを用いて数時間~数カ月かかった原子レベルの物理シミュレーションを、数秒単位で行うことができます。
使いやすさ / Easy to Use

シミュレーションを開始できます
学習済み深層学習モデル・物性計算ライブラリ・高性能な計算環境をパッケージにすることで、ハードウェアの準備や環境構築をすることなく、シミュレーションによる材料探索が可能です。また、従来の機械学習ポテンシャルとは異なり、ユーザーによるデータ収集や学習が不要です。
物性計算ライブラリ
お客様にてプログラミングすることで、NNPの出力(エネルギー・力)から、物性計算ライブラリを用いずに他の物性・現象も計算いただけます。- 有機分子の振動解析
- 振動モード・振動数IRスペクトル
- 弾性定数
- 弾性定数ヤング率体積弾性率ポアソン比
- フォノン分散と固体の熱物性
- フォノン分散ヘルムホルツエネルギー比熱
- 動力学計算
- 粘性係数拡散係数比熱熱伝導率
- 反応経路解析
- Nudged elastic band法(NEB)
Calculation計算事例
一覧へMatlantisのはじめ方
STEP01

STEP02
Jupyter Notebookを立ち上げ、Pythonでシミュレーションを行う内容を記載していきます。Matlantisには、第一原理計算や分子動力学法などの様々なパッケージをPythonによって統一的に操作するためのできる環境が用意されています。Matlantis独自の物性計算ライブラリや、sample notebookも用意されており、すぐに研究を始めることができます。

STEP03
Jupyter Notebookで記載した内容を実行します。構造最適化計算であれば数秒で完了します。

STEP04
計算結果を可視化したり、Jupyter Notebook上で更なる分析を行うことも可能です。<

IntroductionMatlantisを導入してみる
お問い合わせ・ご相談はこちらFAQよくある質問
Matlantisを使って、自社で開発している独自材料のシミュレーションをしたいのですが、どのようなデータの用意が必要ですか?
Matlantisは学習済みの汎用的なポテンシャルを提供いたします。お客様による、教師データの作成・学習を行うことなくご利用いただけます。
対象となる系や現象に応じて、適切な原子間ポテンシャルを選んで利用するのでしょうか?何種類のポテンシャルが提供されますか?
Matlantisでは、1つのポテンシャルでさまざまな系を扱うことができる、汎用なポテンシャルを提供します。
Matlantisの計算精度はどれくらいですか?
概ね、RandomなデータでMAE 0.03 eV/atom、BulkでMAE 0.01 eV/atom程度です。
Matlantisを使って、最大何原子まで計算できますか?
計算対象の近傍原子の数に依存しますが、概ね数千原子程度です。例えばPt_fccの場合は、3000原子程度まで計算が可能です。
Matlantisは樹脂や高分子の研究にも利用できますか?
例えば、モノマーの反応性や高分子の部分構造のシミュレーションなどで利用できます。古典ポテンシャルと比較して、速度や原子数の制約は強くなりますが、精度に重点を置いた計算を行うことが可能です。
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