第2回目となる「Matlantis User Conference」を開催いたします。今回は、2名のMatlantisユーザー様にご登壇いただき、具体的なMatlantis活用事例をお話しいただきます。
なお、本ユーザー会はMatlantisのご利用をご検討中の方、今後試してみたい方もお申込可能です。ただしプログラムにMatlantisの基本機能のご紹介は含まれておりませんので、Matlantisの概要(Atomistic simulation tutorial 第1章 Introduction)をご確認いただいた上でご参加いただくと、より一層楽しめる内容となっております。
タイトル有機材料を専門とする実験研究者によるMatlantisの活用事例
講演者東京工業大学 物質理工学院 材料コース 早川研究室 助教 畠山 歓 先生略歴:2018年早稲田大学先進理工学専攻一貫制博士課程修了。博士(工学)。同年同大学応用化学科講師(任期付)を経て、2023年4月より現職。2022年よりJST創発的研究支援事業に従事。機能性高分子、有機電気化学、マテリアルズ・インフォマティクスを専門とする。
講演概要機能性高分子の合成と計測を専門とする実験研究者が、どのような期待と課題意識を持ちながらAI分子シミュレータMatlantisを利用しているかについて発表する。DFT、MD計算、更にはオープンソースのAIシミュレータ等と比較も交えながら、Matlantisの特徴を実験屋の視点で考察する。実例として、分子集合体の構造計算に加え、本ソフトウェアによって推定可能な諸物性(密度・拡散係数・粘度・熱伝導度等)を、実材料で計算した際の精度や処理速度について示す。また、Matlantisでも計算が困難な構造や物性を推定するための機械学習との連携状況についても報告する。
タイトルPFPの部分電荷を利用した電場下ダイナミクスシミュレーション
講演者信州大学 先鋭材料研究所 助教 久間 馨 先生略歴:東京大学 工学部 機械工学科卒業(2012年)後、同大学 工学系研究科 機械工学専攻修了(2014年)。株式会社東芝/東芝エネルギーシステムズ勤務ののち、東京大学 工学系研究科 機械工学専攻にて博士課程修了。筑波大学 数理物質系での研究員を経て、2021年10月より現職。
講演概要電場下のイオン伝導や電極界面における電気二重層の形成など、外部電場に対する材料の挙動は物理化学的に興味深く、また二次電池やキャパシタなどへの応用上も重要である。これらは分子動力学シミュレーションによって解析することが可能だが、分子間相互作用に密度汎関数理論(DFT)などの第一原理計算を用いるのでは計算コストが高すぎて十分な時間スケールの計算が困難である。また従来の経験的ポテンシャルを用いるのではパラメータの汎用性が低く適用できる材料系が限られることや、化学反応を含むモデル化が難しいことが課題であった。そこで、汎用ニューラルネットワークポテンシャルであるPFPを適用し、計算速度と汎用性・精度のバランスを高めつつ、外部電場との相互作用をその部分電荷推定に基づいて与えることで問題の解決を企図した。本講演ではそのような、Matlantisの電場下ダイナミクスへの拡張について紹介する。
同業者様からのお申込みなど、 当社の判断によりMatlantis User Conference参加をお断りさせて頂く場合がございます。予めご了承いただけますと幸いです。