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名古屋大学 大学院生向け講義「ベンチャービジネス特論Ⅰ」で講演を実施

名古屋大学大学院にて開講されている「ベンチャービジネス特論I」は、理工系大学院生を対象としたアントレプレナーシップ教育の一環であり、大学の研究成果を社会に実装していくために必要な「事業化」の視点と実践的な知識を学ぶことを目的とした講義です。

今回の講義では、Matlantis株式会社のカスタマーサクセス統括であり、Matlantis™の前身となる研究開発フェーズから事業化まで一貫して携わってきた浅野が登壇。単なる利用支援の立場にとどまらず、AIシミュレーション技術を材料開発の現場に根付かせるべく、技術と事業の橋渡しを担ってきた経験をもとに、Matlantisの開発経緯から事業化に至る道のり、ビジネスの現状と今後の展望について講演しました。

本講演には、材料開発やベンチャービジネスに関心を持つ多くの学生(オンライン・オフライン計300名強)にご参加頂きました。

講演では、まず従来のR&D手法が抱える課題、特に第一原理計算(DFT等)の計算コストやスケーラビリティの限界に言及。その解決策として機械学習力場に着目したMatlantis開発の経緯を解説しました。あわせて、いくつかの類似技術を例に、再生可能エネルギーのような重要テーマで機械学習の活用が進む技術潮流も紹介しました。

次に、研究プロジェクトから事業化に至る道のりを、研究者として、また事業側の当事者としての想いと共に語りました。開発の原点である「革新的なマテリアルの創出し 持続可能な世界の実現に貢献したい」というミッションの下、その実現に向け、緻密な市場分析やジョイントベンチャー設立といった戦略的な意思決定が重ねられてきました。。講演ではその背景を交えながら、最先端の電池材料や半導体での活用事例を挙げ、Matlantisが開発現場にもたらす具体的な価値を伝えました。

質疑応答では、事業や技術に関するものから機械学習の勉強法まで、計24件もの質問が寄せられました。浅野が自身の経験を交えてアドバイスしたほか、日本の研究力が直面する課題についても議論が交わされ、活発な意見交換の場となりました。

最後に浅野は、「今日まで最適だと思っていたことが、明日には別の最適解が出てくる」と現代の不確実性に言及。これからの時代には、①課題を発見しプロジェクトを牽引する人材、②最先端技術で課題を解決する人材、③仕組みを簡素化し広げる人材、の育成が重要だと述べ、講演を締めくくりました。

Matlantisはこうした人材や研究現場を支える基盤として、革新的な研究開発を加速させ、産業界の活性化に貢献してまいります。本講演が、参加者の皆さまの未来の成果につながることを心より願っております。

<今後の関連予定>
名古屋大学 D-Center と共同で、2025年度下期に講義と実習を組み合わせた「最先端理工学実験 (Matlantis)」を開講予定です。本講義は名古屋大学に在籍する方であれば、学部生・大学院生・教員を問わず受講可能です。詳細は D-Center へお問い合わせください。

また、Matlantis株式会社では、大学や企業・団体からのリクエストに応じて講義を実施することも可能です。開催をご希望の場合は、ぜひ弊社までご連絡ください。