【登壇レポート】東京農工大学 Doctor’s Café #37 & AI Salon #14

「AIによる学際融合イノベーション ~持続可能な材料開発への挑戦~」

イベント詳細:https://www.tuat-flourish.jp/topics/event/3832/

2026年7月22日、東京農工大学 未来価値創造研究教育特区(FLOuRISH)主催「Doctor’s Café #37 & AI Salon #14」(小金井キャンパス・グリーンホール)に、当社より堀野史郎(マーケティング部長)と浅野裕介(テクニカルソリューション部長)が登壇しました。テーマは「AIによる学際融合イノベーション ~持続可能な材料開発への挑戦~」。SPRING/BOOSTフェローの博士課程学生を中心に、様々の分野から幅広い皆さまにご参加いただき、講演とパネルディスカッションを英語で実施しました(Q&Aは日英)。

前半の堀野の講演「学際の跳躍 ― AIが変える材料発見のかたち」では、電池・触媒・半導体など持続可能な社会の鍵を握る材料開発において、AIシミュレーションが研究のかたちをどう変えつつあるかを概観し、「分野を越える人にこそ、フロンティアが待っている」と博士学生へエールを送りました。

汎用原子レベルシミュレーターの社会実装 ~多様化する課題と今後の人材像~(浅野)

後半の浅野の講演は、自身の「越境キャリア」から始まりました。化学メーカーでの半導体材料(ArF液浸レジスト、CMP等)のR&D、テキサス大学オースティン校Willsonグループでの客員研究員、ENEOSでのマテリアルズ・インフォマティクス組織の立ち上げ、汎用機械学習ポテンシャルを用いた材料設計、そしてMatlantisでのカスタマーサクセスエンジニアへ——有機合成からポリマー、機械学習、特許・文献分析まで、分野を渡り歩いてきた道のりは、本講演が掲げたテーマ「学際融合」の生きた実例です。

講演では、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」——既存顧客のニーズを追う優良企業ほど、技術シフトに乗る新参者に敗れる——を切り口に、深層学習という技術シフトの上に生まれたMatlantisの社会実装の歩みを解説。早期に製品を世に出し、お客様のフィードバックから改善を重ねることでノウハウを蓄積してきたこと、そして日々論文を読み、市場を調べ、人と対話してニーズとシーズを見極めるというシンプルな営みの継続こそが次の一手につながることを語りました。

パネルディスカッション

東京農工大学田中聡久教授を交えたパネルでは、「AI時代の研究者、特に博士課程学生に求められる能力」が議論の中心となりました。浅野は、研究者に必要な力を「問題/課題を見つける・問題/課題を解く・マネジメントする」の3つに整理し、問題や課題を解く力は今のAIが強力に支援する一方、問題や課題を見つける力はAIが最も苦手とする領域であり、これからの研究者が担うべき中核だと語りました。

会場からのAI予測の信頼性に関する質問には、機械学習における信頼区間の考え方を紹介。「研究とは、分からないことを分かるようにし、できないことをできるようにすること」という浅野の言葉も、学生の皆さんへの力強いメッセージとなりました。

Matlantisは今後も、大学・研究機関との共創を通じて、次世代の研究人材とともに材料開発の未来を切り拓いてまいります。

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